災害に強い外構づくり ~防災リフォームのポイント~
- リフォームコラム
近年、自然災害が頻発する中、住宅の構造だけでなく、外構も災害に強い防災設計が求められています。
こちらの記事では、防災の観点からどのような外構作りが望まれるか、具体例を含めてご紹介します。
ぜひ参考にされてみてください。
目次
災害に強い外構づくりのポイント
災害に強い外構づくりは、家族の安全を守るために非常に重要です。
特に日本では、地震や台風、水害、火災などの自然災害が頻発するため、外構の設計においても災害対策が求められます。
以下に、災害に強い外構づくりの具体的なポイントをいくつか紹介します。
1. 耐震・耐風性の強化
軽量で柔軟な素材を選ぶ
コンクリートブロックよりも、アルミフェンスや樹脂製のフェンスなど、軽量で柔軟性のある素材を選ぶことで、地震や強風による倒壊のリスクを減らせます。
塀の耐震強化方法は、塀の構造や状態によって異なりますが、控え壁の設置や鉄筋の挿入、耐震金具の取り付けが一般的です。
既存の塀が老朽化していたり、耐震性が全く期待できない場合は、新しい塀に建て替えることが最も確実な方法です。
地盤改良
地盤が弱い場合は地盤改良工事を行い、建物の基礎だけでなく、外構の構造物も安定させることが重要です。
地盤が弱いと、どれだけ耐震・耐風性のある素材を選んでも効果は半減してしまいます。
地盤改良は、地震や強風に対する外構の耐久性を高めるための基本的な対策です。
具体的には、地盤の表層を固める「表層改良」や、深層まで固める「深層改良」があり、専門業者に依頼することで適切な方法を選定してもらえます。
地盤が強化されることで、外構全体の耐震・耐風性能が向上し、より安全な環境を築くことができます。
固定方法の工夫
フェンスや門扉は、しっかりと固定することで地震や強風による倒壊を防ぎます。
具体的には、アンカーボルトを使用して地面や壁にしっかりと固定することで、強風や地震時の揺れへの耐久性を高めることができます。
さらに、緩衝材を使用することで揺れを吸収し、構造物の損傷を減少させる工夫も効果的です。
屋根付きの構造物
カーポートやテラスなど、屋根付きの構造物は、風雨や飛来物から守ってくれるだけでなく、強風や地震の際の安全な避難場所としても機能します。
例えば、ガーデンシェッドやカーポートなどの屋根付きのスペースを設けることで、災害時に避難したり、必要な物資を安全に保管する場所として利用できます。
特に、台風の多い地域や地震の頻発する地域では、耐風・耐震設計が施された屋根付き構造物を導入することで、安心感が大いに増します。
2. 水害対策
雨水浸透桝の設置
雨水を地面に浸透させることで、一時的な冠水リスクを軽減できます。
地面に浸透させるシステムとしては雨水浸透桝(うすいしんとうます)が挙げられます。
雨水浸透桝とは、住宅地などに降った雨水を地面へと浸透させるための設備です。
浸透桝は庭や駐車場の一角に設置することができ、雨水を効率よく地中に戻す役割を果たします。
これにより、周囲の排水システムへの負担が軽減され、洪水のリスクも低減されます。
高低差を利用した排水設計
庭に高低差をつけることで、雨水を自然に排水することができます。
例えば、建物の周囲に傾斜を設け、低い場所に排水溝を配置することで、雨水が建物に侵入するのを防ぎます。
庭や駐車場の設計時にこのような工夫を取り入れることで、自然災害時の被害を最小限に抑えることが可能です。
排水溝の設置
雨水が滞留しないよう、排水溝を適切に設置しましょう。
特に、家の周囲や玄関先、駐車場などの水が溜まりやすい場所には、しっかりとした排水溝を設置することが必要です。
また、定期的な清掃とメンテナンスも行い、排水溝が詰まらないように注意しましょう。
3. 防火・耐火力のある外構
防火性の高い素材
外壁や塀には、防火性の高い素材を選ぶことで、火災の延焼を防ぎます。
外壁や塀には耐火レンガやコンクリートブロック、火に強い金属パネルなどを採用すると良いでしょう。
これらの素材は高温に耐えるだけでなく、火の進行を遅らせる効果があります。
可燃物の除去
庭に可燃物を置かないようにし、火災の危険性を減らします。
庭や外構周りに木材や紙、乾燥した葉っぱなどの可燃性の高い物を放置しておくと、火災が起きた際に一気に燃え広がるリスクがあります。
特に、家の周りに積み上げられた木材や古い家具、廃材などは定期的に整理し、必要に応じて処分することが大切です。
また、植栽は火に強い植物を選んで植えることで、火災発生時の延焼を抑えることができます。
例えば、サボテンや多肉植物、火に強い低木などが挙げられます。
これらの植物は水分を多く含んでおり、火がつきにくい特性を持っています。
消火設備の設置
庭や外構に消火器やホースリールを設置しておくことで、初期消火が可能となり、被害を最小限に抑えることができます。
消火器は定期的に点検し、使用期限が切れていないか確認することが重要です。
4. 多機能性
防災備品の収納スペース
物置やデッキ下に、防災グッズを収納できるスペースを設けることで、いざという時にすぐに取り出せます。
防災の視点で物置を設置する場合は、 防水性や耐久性があるものを選びましょう。
安価で購入しやすい樹脂製物置は風当たりが強い場所を避け、アンカーボルトなどでしっかりと地面に固定しましょう。
発電設備
太陽光発電や蓄電池を設置することで、停電時にも電力を確保できます。
停電時に活躍する太陽光発電パネルや小型風力発電機を導入することで、災害時でも電力供給を確保できます。
これにより、スマートフォンの充電や照明の確保、電気調理器具の使用などが可能となり、避難生活の質を大きく向上させることができます。
防災の観点から、お庭やお家の周りで出来るポイントをご紹介しました。いかがでしたでしょうか。
外構の防災リフォームをご検討の際は、ナガサカ建窓にご相談くださいませ。
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