エクステリア・新築外構で工期に差が出る理由
- リフォームコラム

新築外構・エクステリアリフォームは、新しいお住まいに合わせて理想のエクステリアを創り上げたい、あるいは今ある外構をもっと素敵で使いやすい空間にしたい、とい要望を実現させることができます。
しかし、いざ工事を検討し始めると、「いつから工事が始まって、いつ頃終わるんだろう?」「生活にどのくらい影響があるのかな?」と、工期に関する不安が頭をよぎる方も少なくないでしょう。
こちらの記事では、新築外構・エクステリアリフォームでよくある工事について、どんな工事が工期を長くする原因になるのか、その具体的なポイントに焦点を当ててご紹介します。
ぜひ最後までご覧ください。
目次
外構・エクステリア工事の種類と一般的な工期目安
まずは、主な外構・エクステリア工事の種類と、それぞれにかかる一般的な工期の目安をお伝えします。
あくまで目安ですので、現場の状況や天候、依頼する会社のスケジュールによって多少変わることは頭に入れておいていただければと思います。
駐車場・カーポート設置工事
土間コンクリート打ち

駐車場を土間コンクリートで整備する工事はまず、今ある土を掘り起こし、路盤材を敷いてしっかりと固める(転圧)といった下準備が必要です。
それから、ひび割れを防ぐためのメッシュ筋(ワイヤーメッシュ)を配置し、いよいよコンクリートを流し込みます。
コンクリートを流し込む作業自体は1〜2日で終わるんですが、流し込んだ後の養生期間がとっても大切です。
コンクリートは、完全に固まって十分な強度が出るまでに時間がかかり、特に最初のうちは気温や湿度が大きく影響します。
一般的には、夏場で3〜4日、冬場では5〜7日程度の養生期間が必要だと考えてください。
この養生期間中に車を乗り入れたり、重いものを置いたりすると、ひび割れや強度の低下につながってしまいます。
カーポート設置

カーポートを設置する工事は、地面に基礎を作るかどうかで工期が大きく変わってきます。
すでにコンクリートの土間やアスファルト舗装がある場所に設置する場合でも、柱の基礎となる部分を掘り起こし、コンクリートでしっかり固める作業が必要です。
この基礎工事が終われば、カーポート本体の組み立ては比較的早く、1〜3日程度で完了することが多いです。
ただし、基礎コンクリートの養生期間も考慮すると、全体で1週間程度を見ておくと安心です。
もし、特殊な状況で基礎がほとんど不要なら、本体の組み立てだけで済むので、1〜2日で終わることもあります。
アプローチ・通路工事
コンクリート・タイル・レンガ敷き

玄関から道路までのアプローチや、お庭の通路をコンクリート、タイル、レンガなどで舗装する場合も、地面の下地作りが重要です。
路盤材を敷いて固め、必要であればモルタルやコンクリートを流し込みます。
タイルやレンガを実際に敷き詰める作業は、広さにもよりますが数日〜1週間程度で完了します。
下地がコンクリートの場合は、先ほど説明した養生期間が必要ですし、モルタルなどで固定する場合も、それが十分に固まるまでの時間が必要です。
なので、全体の工期としては1週間から2週間程度を目安にすると良いでしょう。
デザインを凝って複雑な模様にしたり、色々な素材を組み合わせたりする場合は、もう少し工期が延びる可能性もありま。
インターロッキング舗装

インターロッキングブロックは、コンクリートブロックを組み合わせて舗装する方法で、水はけが良く、デザインも豊富です。
下地は、路盤材を敷いてしっかり固めるのが基本で、コンクリート基礎が不要なので、土間コンクリートよりも比較的早く施工できます。
ブロックを並べる作業は職人さんの腕と広さによりますが、数日〜1週間程度が目安です。
その後、ブロックの隙間に砂を詰めて固めます。
全体の工期としては1週間から10日程度を見ておくと良いでしょう。
フェンス・ブロック塀設置工事
フェンス設置

フェンスの設置は、基礎を作るかどうかと、フェンスの種類によって工期が変わってきます。
新しいブロック基礎を作る場合は、ブロックを積んでモルタルが固まるのを待つ期間が必要です。
一般的な既製品のフェンスであれば、基礎ができていれば1日で設置できることも多いです。
ただ、基礎工事も含めると2~5日程度かかることがあります。
オーダーメイドの特別なフェンスや、凝ったデザインのものは、もう少し時間がかかることもあります。
ブロック塀設置

ブロックは一段ずつ積んで、モルタルが固まるのを待つ必要があるため、数メートル程度の一般的なブロック塀でも1週間から2週間程度かかることもあります。
また、今あるブロック塀を壊してから新しく作る場合は、解体作業とその廃材を処分する手間も加わるので、さらに工期が延びてしまいます。
特に、高さのある塀や、傾斜地の土留め(擁壁)を兼ねる場合は、建物の構造計算と同じように強度計算が必要になったり、役所への申請が必要になることもあり、工期がぐっと長くなる可能性があります。
ウッドデッキ・テラス設置工事
ウッドデッキ設置

ウッドデッキは、その大きさや使う素材(天然木か人工木か)、デザインによって工期が大きく異なります。
基礎工事として、束石(つかいし)を置いたり、コンクリートで基礎を作ったりする必要があります。
一般的なお庭に設置するくらいのサイズであれば、基礎工事を含めて2日〜1週間程度で完成することが多いです。
タイルテラス設置

タイルテラスもウッドデッキと同じように、その規模やデザインによって工期が変わります。
下地になるコンクリートを流し込むところから始まるので、その養生期間が必ず必要になります。
コンクリートがしっかり固まった後、タイルを貼っていく作業になります。
タイルを貼る作業自体は、広さにもよりますが数日〜1週間程度です。
全体の工期としては、コンクリートの養生期間を含めて1週間から2週間程度が目安になるでしょう。
広いテラスや、複雑な模様のタイルを貼る場合は、もう少し工期が延びる可能性があります。
造園・植栽工事
庭木の植栽

庭木の植栽は、木の大きさや本数、どこに植えるかという土の状況によって工期が変わります。
数本程度なら1日で終わることも多いです。
大がかりな庭園を作る場合や、大きな木を植える場合は、重機を使ったり、専門的な知識が必要になったりするので、数日〜1週間以上かかることもあります。
植え付けた後の水やりや支柱立てなども、最初のうちは大事な手入れになります。
芝生張り

芝生を張る場合、まずは今ある土を掘り起こして(鋤取り)地面を平らに整え、必要に応じて新しい土を入れたり(客土)、土を改良したりします。
それから芝生を敷き詰めて、しっかり踏み固めます(転圧)。
一般的な広さのお庭であれば、整地から芝張りまで2~3日程度で終わることが多いです。
ただ、広い面積の場合や、傾斜がある場所だと、もう少し日数がかかることもあります。
芝生がしっかり根付くまでの最初の水やりもとても大切です。
工期が長くなる具体的なポイント
1. 既存構造物の解体・撤去作業

新築の場合は基本的に何もない更地から始まりますが、エクステリアのリフォームでは、今ある門扉や塀、カーポート、物置などを壊して運び出す作業が発生します。
この解体・撤去作業は、その規模や構造によって工期に大きく影響します。
ブロック塀や擁壁(ようへき)の解体
頑丈に作られたブロック塀やコンクリートの擁壁を壊すのは、重機を使うこともありますが、かなりの騒音や振動、粉じんも出ます。
出る廃材の量も多く、運び出して処分するのにも時間がかかります。
特に、お隣との境界に接している場合や、地面の奥深くまで基礎が埋まっている場合は、とても慎重な作業が求められるため、数日から1週間以上かかることも珍しくありません。
庭木の伐採・抜根(ばっこん)
大きな木や根が広範囲に張っている木の伐採・抜根は、危険を伴う作業ですし、根っこを完全に除去するまで時間がかかります。
根が残っていると、将来的に建物の基礎や他の構造物に影響が出る可能性もあるので、丁寧な作業が必要です。
既存コンクリートの撤去
駐車場やアプローチの今あるコンクリートを撤去する場合も、壊す作業と、壊した廃材を運び出す作業が必要です。
厚みがあったり、面積が広かったりするほど、時間も費用もかかります。
2. 地盤改良・造成工事

敷地に大きな高低差がある場合や、地面が軟らかい場合は、地盤を強くしたり、土地を整えたりする「地盤改良」や「造成工事」が必要になります。
土の運び入れ・運び出し、高低差調整

敷地の高低差をなくすために、土を盛ったり(盛り土)、削ったり(切土)する作業が発生します。
大量の土砂を運び入れたり運び出したりする場合、ダンプカーの通行経路や、余った土の処分場所の確保など、たくさんの調整が必要になります。
擁壁(ようへき)工事
高低差を安全に解消するために、L字型の擁壁やブロック擁壁などを設置する場合、擁壁の高さや長さ、使う素材によって工期は大きく変わり、数週間から1ヶ月以上かかることもあります。
軟弱地盤対策
地面が軟らかい場合、建物の沈下を防ぐために地盤改良が必要になることがあります。
これは、エクステリアの構造物にも影響を与える可能性があり、杭を打ったり、地面の表面を固めたりといった専門的な工事が必要になる場合があります。
これらの工事は、工期だけでなく費用もかなり増える原因となります。
地盤改良や造成工事は、普段は見えない部分の作業ですが、その後のエクステリア全体の安定性を決める、非常に重要な工程です。
これらの工事が必要になると、工期は大幅に延びると覚悟しておく必要があります。
3. コンクリートの打設と養生期間

駐車場、アプローチ、テラス、基礎など、エクステリア工事ではたくさんの場所でコンクリートを使います。
コンクリートは流し込んだ後、しっかりした強度が出るまでに決まった養生期間が必要です。
この養生期間は、天候(特に気温や湿度)によって変わってきます。
初期養生
コンクリートを流し込んでから数日間は、特に乾燥や急激な温度変化から守り、水分が蒸発するのを防ぐための「初期養生」が必要です。
夏場なら3日くらい、冬場なら5~7日くらいが目安です。
この期間は、原則としてコンクリートの上に立ち入ったり、重いものを置いたりすることはできません。
強度発現
コンクリートは、最終的な強度が出るまでに約28日間かかると言われています。
車を乗り入れるような、大きな重さがかかる場所では、この約28日程度の養生期間を確保することが推奨されます。
工期を短くしようと無理に早く車を乗り入れたりすると、ひび割れや破損の原因になり、後々トラブルにつながりかねません。
4. 特殊な素材やオーダーメイド製品の使用

既製品ではなく、特別な素材を使ったり、注文して作る「オーダーメイド」の製品を使う場合も、工期が長くなる傾向があります。
サイズやデザインを特別に注文する門扉、フェンス、造り付けの家具などは、設計から実際に作られるまでに時間がかかります。
工場で作る期間に加えて、運搬や現場での細かな調整期間も考えなければなりません。
特に海外からの輸入品や、職人さんが一つ一つ手作業で作るようなものは、数週間から数ヶ月の待ち時間が発生することもあります。
5. 天候の影響

エクステリア工事はほとんど屋外での作業なので、天候の影響を非常に大きく受けます。
雨が降ると、土を掘ったり整えたりする作業、コンクリートを流し込む作業、モルタル作業、塗装作業など、多くの工程が中断されたり延期されたりします。
フェンスやカーポート、パーゴラなどの高さがある構造物を組み立てる作業は、風が強いと危険なので、中止になることがあります。
冬場の寒い時期は、コンクリートやモルタルが凍るのを防ぐための特別な養生が必要になり、固まるのが遅れるため工期が延びる原因となります。
雪が積もれば、当然作業はできません。
計画を立てる段階では晴れを前提に工期が組まれますが、実際の工事では天候によって予定通りに進まないことがよくあります。
梅雨の時期や台風シーズン、雪が降る地域での工事は、特に工期に余裕を持たせた計画が必要です。
6. 関連工事や他の業者との連携

エクステリア工事は、建物本体の工事や、他の設備工事と連携して進められることがあります。
建物本体の基礎工事や外壁工事などが遅れると、それに続くエクステリア工事の着工もずれてしまいます。
他の会社の進み具合に左右されるので、自分たちでコントロールするのが難しい部分です。
複数の会社が関わる工事では、それぞれの会社さんの進捗状況や連携がとても重要になります。
事前にしっかり話し合い、細かいスケジュール調整をしておくことが、工期遅延を防ぐ上で欠かせません。

新築外構・エクステリアリフォームは、工事の内容や規模、使う材料、そして現場の状況によって大きく変わります。
特に、以下の要素が工期を長くする主な原因となります。
- ●今ある構造物を壊して運び出す作業
- ●地面の改良や土地を整える造成工事
- ●コンクリートを流し込んで固まるのを待つ期間
- ●特別な材料やオーダーメイド品の利用
- ●天候による影響
- ●他の工事や業者さんとの連携
これらのポイントを事前にしっかり理解し、ゆとりを持った計画、信頼できる業者さん選び、詳しい打ち合わせ、そして工事中の密なコミュニケーションを心がけることで、皆さんの理想のエクステリアを、もっと安心して、そしてスムーズに実現できます。
エクステリアは、お住まいの顔となり、日々の暮らしを豊かにしてくれる大切な空間です。
後悔のないリフォームにするためにも、工期に関する正しい知識を持って、計画的に進めていきましょう。
もし何かご不明な点や、もっと詳しく相談したいことがあれば、ナガサカ建窓にお問い合わせくださいませ。
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